すぱいすのページ

　コロナ禍の外出制限やリモートワークにより、骨盤底筋を含む足腰の筋力が衰え、尿漏れ・頻尿の悩みを訴える人が増加しました。40歳以上の日本人女性の2人に1人が経験しているといわれるほどです。最近では、女性特有の健康課題をテクノロジーの力で解決する「フェムテック」という言葉が広まり、妊娠、出産、更年期などに関連する尿漏れ・頻尿の問題がより広く認識されるようになりました。
　「１滴でも漏れたら『尿漏れ』ですよ。2時間はトイレが我慢できると良いですね。骨盤底筋トレーニングで尿漏れ・頻尿を予防していきましょう」という啓発活動を、私は約20年前から続けています。理学療法士として予防に焦点を当てた活動を追求し、病院で経験を積んだ後、一般社団法人を熊本市に設立。医師と連携しながら、ヘルスケアのサービスを提供しています。
　骨盤底筋トレーニングは、見えない筋肉を鍛えるため正確な進捗（しんちょく）を把握するのが難しく、自己流では成果が得られない場合もあります。専門家と一緒に学ぶことで生涯にわたる予防に役立つというデータが出ています。実際、相談に来られた方から「自信が付いた」「くしゃみをしても尿漏れをしなくなった」といった声が寄せられています。
　人生100年時代。私自身の喜びは、「諦めないで！」と尿漏れを防ぐセルフケア法をお伝えし、女性のライフステージの変化を支えることです。正確な知識が広まり、多くの方々が充実した人生を楽しめるよう心から願っています。