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「あれんじ」 2010年12月4日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第9回】 セルフメンテナンス

女性医療従事者によるリレーエッセー 【第9回】

【第9回】 セルフメンテナンス
安政町メディカルクリニック 
内科医師 江藤奈々恵

 医師となり、10年目を迎える。
 その間に、結婚をし、子どもを授かってからは、子どもとの時間を大切にしてきた。今は、育児と両立できる形で内科診療をさせていただいている。風邪や生活習慣病といった身近な病気の診療や健康診断などが主な業務だ。
 多忙な毎日をおくる30〜40代の女性の方を診させていただく機会も増えた。「病気」とまではいかなくても、取れない疲れやストレス、体調不良に悩まされる方も多い。
 私も育児と仕事に追われ、自分に余裕がなくなることがしばしばある。ツラいなあと感じ始めたら、自分の時間をつくって気分転換をするようにしている。家族のためにも自分が病気になるわけにはいかないので、独身のころよりも日々の健康管理に気を使うようになった。
 これまでは、体調を崩すとすぐに薬に頼ることが多かったのだが、病院勤務を離れて、いろいろな経験をして思ったことは、「身体を楽にしてあげる」ツールはたくさんあるのだなあということ。 アロマテラピー、マッサージ、ヨガ、森林浴、温泉、音楽、おしゃべり、おいしい食事など、その人にとって楽しいことが治療になることもある。
 現代人の身体は、常に酷使され、限界まで働いている。積もり積もって病気になる前に、疲れに気付いてメンテナンスをしてあげることが大切だ。
 そして私も患者さんがお元気になり笑顔で帰っていただけるように、「治す」だけでなく、「癒やす」診療ができるようになりたい。