【元気の処方箋】
「がんを知ろう」シリーズA 今、日本で最も多い 大腸がん
がんについての情報をお届けする「がんを知ろう」シリーズ。2回目の今回は、日本で最も多くの人がかかっている「大腸がん」についてお伝えします。 (編集=坂本ミオ イラスト=はしもとあさこ) |
【はじめに】 大腸がんとは |
【図1】大腸の構造
大腸がんは高齢化や生活習慣の欧米化により年々増加傾向にあり、現在では日本で最も多いがんとなっています。 |
【大腸がんの危険因子と予防法】 老化、アルコール、喫煙、肥満 家族歴もリスクに |
【図2】大腸がんの危険因子と予防法
大腸がんがなぜ発生するのか、現時点でも完全には明らかではありません。大腸がんになりやすくなる危険因子として、老化、アルコール、喫煙、肥満などが挙げられます。日本人の食生活が西洋化した(高脂肪、高タンパク質で繊維質が少ない)ことが、大腸がんが増えた原因の一つと考えられています。 |
【大腸がんの症状と検診】 早期には明確でない症状 積極的な検診受診を |
進行がんになると血便・下血、排便習慣の変化 (便秘・下痢、便が細い)、腹部の不快感・腹痛、腫瘤(しゅりゅう=しこり)、腸閉塞、体重減少、疲労感などの症状が現れます。 |
【大腸がんの治療】 「進行程度に応じて異なる治療 腹腔鏡下やロボット支援下で外科手術を行う場合も |
大腸がんは、大腸粘膜の細胞から発生し、大腸ポリープががん化したものと、正常粘膜から直接発生するものがあります。 |
外来通院での治療も可能な 化学療法 |
診断時からの転移病変や術後に再発した病変に対して、手術が不可能な場合には化学療法を行うことになります。使用する薬剤は大腸がんの遺伝子変異の状況などを調べて、最も効果の高い治療法を検討することが勧められています。 |
執筆者
熊本大学大学院生命科学研究部 消化器外科学講座 熊本大学病院 消化器外科 教授 馬場 秀夫 ・日本外科学会 専門医・指導医 ・日本消化器外科学会 専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医・評議員 ・日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医・評議員 ・日本癌治療学会 監事 ・日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 など |