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「あれんじ」 2010年12月4日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
「おねしょ」が 治りません

 赤ちゃんや幼児では気にならない「おねしょ」。成長とともにしなくなれば悩みませんが、そうでない場合、親も子どもも神経質になることも。今回は、気になる「おねしょ」についてお伝えします。

おねしょ? それとも病気なの?

 子どもの「おねしょ」のほとんどは病気ではありません。「おねしょ」に影響するものに、尿をためる膀胱(ぼうこう)の大きさと、睡眠中に尿を減らして濃くする抗利尿ホルモンの働きとがあります。その成熟には個人差が大きいので、「おねしょ」が長く続く子どもがみられるのです。
 一般に5歳以上で月に1〜2回以上の「おねしょ」があると、「夜尿症」と呼びます。夜尿症の子どもは、小学校低学年では約10人に1人ぐらいです。そのほとんどは成長とともに消失しますが、まれにホルモンの異常や感染症、糖尿病などが原因になっていることがあります。また、夜だけではなく昼間にも尿が漏れることがあれば、早めにかかりつけ医に相談したほうがよいでしょう。


医師に相談する目安

 「おねしょ」を負担に感じたら、相談することをお勧めします。
@ 小学校1〜2年生以上で毎日「おねしょ」があり、親子がストレスを感じている 
A 小学校3〜4年生を過ぎて毎日のように「おねしょ」がある 
B 「おねしょ」の回数が急に増え、量も増えてきた 

 集団宿泊訓練の前にも相談を受けることがあります。薬を使って調節することができますが、使い方には注意が必要です。


正しい「おねしょ」対策

 夜中にトイレに起こしたり、しかったりすることはよくありません。睡眠、食事などの時間を決める、夕方以降の水分を減らす、塩分を減らす、水分の量と尿の回数を記録するなどを、あせらずに試してみてください。
@起こさない、しからない、あせらない
A尿漏れシーツや紙おむつなどを使って親子の負担を減らしましょう
B水分制限や薬による治療はかかりつけ医と相談しながら行ってください


熊本大学医学部附属病院
小児科
講師 中村公俊

両親が「おねしょ」について言わなくなると改善することもあります。あまり神経質にならず気長に見守りましょう。