すぱいすのページ

トップページすぱいすのページ「あれんじ」 2023年2月4日号 > 【第107回】痛い思いをする患者さんが 減りますように

「あれんじ」 2023年2月4日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第107回】痛い思いをする患者さんが 減りますように

痛い思いをする患者さんが 減りますように

痛い思いをする患者さんが 減りますように

 私は整形外科・リハビリテーション科を専門としており、主には回復期リハビリテーション病棟(急性期医療から在宅日常生活につなぐための病棟)での診療を行っています。
 骨折した60代から90代の患者さんが多いのですが、痛みで動けなかった方が、自分のことを自分でできるようになり笑顔になっていく姿に、私も元気をもらっています。
 また、退院の時には不安そうにしていた方が、自宅で過ごしてみて「大丈夫だった!」と自信を取り戻して外来にいらっしゃるのを見るとうれしくなります。
 骨折は命にもかかわりますし、健康寿命(健康上の問題で日常生活を制限されない期間)を短縮しかねない大変な出来事です。治療後に、身体能力が元通りにはいかない方、杖や歩行車、車いすが必要になる方もいます。
 杖や歩行車は「格好悪い」と嫌がる方が時々いらっしゃいます。私自身は使えるものを使用しながらどこでも出かけてしまう高齢の方をみると「格好いい」と思ってしまうのですが。
 最近の歩行車は北欧風デザインなど、おしゃれなタイプもあります。「私も将来はこんなのを使いたい」とこっそり思いながら患者さんに勧めています。福祉用具を利用し、外出しやすい環境がもっと広がればいいなと思います。
 骨折の背景には「骨粗しょう症」があることがほとんどです。治療を行い、かつつこけない¢フづくりを指導させていただき、骨折をして痛い思いをする患者さんが一人でも減ることを目指しています。


社会医療法人寿量会
熊本機能病院
医師
高井 聖子