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「あれんじ」 2023年1月14日号

【家族の心配・不安に応える 子育て応援クリニックQ&A】
手足が黄色い

Q 子どもの手足が黄色くて気になります。どこか悪いのでしょうか。

多くは食材由来の柑皮(かんぴ)症 赤ちゃんの胆道閉鎖症との区別は便の色が大事

●野菜ジュースの取り過ぎも原因に

 子どもの手足が黄色く見える原因として知られているのが「柑皮症」です。カロテノイドと呼ばれる色素を多く含む食材をたくさん摂取することで、皮膚にカロテノイドが蓄積して黄色く変化します。手のひらや足の裏、鼻の周りの皮膚に沈着しやすく、この部分に目立ちます。
 原因としてミカンが有名ですが、ノリ、ニンジン、カボチャ、ホウレン草、パセリ、オクラ、ブロッコリー、シソの葉、アンズ、マンゴー、トウモロコシ、スイカ、トマト、ウニなどにもカロテノイドが多く含まれています。以前は冬場にミカンで黄色くなることが多かったようですが、最近では野菜ジュースやミックスジュースの取り過ぎによる柑皮症が見られ、季節による差異は認めなくなっています。

●赤ちゃんでは白眼や便の色を確認

 柑皮症は無害とされていますが、偏食の可能性がありますので食事内容を見直しましょう。また、貧血があると赤みが減って皮膚の色が目立つようになり黄色みが強く見える場合があります。肥満による高脂血症や甲状腺の病気が原因の場合もあり、食材の影響が考えにくい場合には、一度かかりつけ医に相談してみましょう。
 特に赤ちゃんで注意が必要なのが「胆道閉鎖症」です。柑皮症では目の白眼(眼球結膜)は黄色くなりませんが、胆道閉鎖症では黄疸により白眼の部分が黄色くなります。赤ちゃんの白眼が黄色みを増し、さらに便の色が白っぽくなっていると胆道閉鎖症の可能性があり、急いで小児科を受診する必要があります。注意すべき便の色合いは母子手帳に写真付きで説明がありますので、一度確認しましょう。


熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学講座
准教授 松本 志郎