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「あれんじ」 2022年12月3日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第106回】新しくはじめたこと

新しくはじめたこと

新しくはじめたこと

 今年7月にこれまで勤務した大学病院を離れ、十善病院に就職しました。小児科医として十数年学びましたが、その前は外科診療に携わっていました。内科や外科、小児や成人を問わず診療できる医師になりたいと思い、大学卒業時に独自に立てたローテーション計画をようやく完遂したところです。
 今は、成人の入院患者さんを診ながら、小児科小児外科の外来を担当しています。これまでも大学では小児科、外勤先では内科、外科の診療を行う生活を続けていましたが、同じ日に0歳児から90代の成人まで診察すると、頭の中で設定しているもろもろの物差しの切り替えが追い付かず、時々混乱することがあります。
 十善病院に移ってから、小児リハビリテーションの取り組みも始めました。ここでは小児のST(言語療法)が以前から行われており、吃音、言語発達障害などの患者さんを受け入れています。全くの門外漢のため、現在急ピッチで勉強をしているところです。PT(理学療法)、OT(作業療法)といった身体のリハビリテーションも行うことにし、さらに小児の心理カウンセリングも始めています。
小児科、小児外科、小児リハビリテーション、心理カウンセリングといった多角的な視点で一人の小児を診ることができる態勢ができつつあると思っています。
 これまでご指導いただいた多くの先生方に感謝しながら、やっと一人前の医師としてスタートが切れた気分でもあり、一方で「五十にして天命を知る」という孔子の言葉がちらちら思い浮かぶ今日この頃です。


医療法人朝日野会
十善病院
小児科小児外科医長
坂本 理恵子