【元気の処方箋】
女性に多いのはなぜ? 手指の痛み
「手指が痛い」という訴えを、女性から多く聞く印象があります。痛みの原因となる疾患はさまざまですが、女性ホルモンとの関係がありそうです。今回は、女性に多い手指の痛みについてお伝えします。 (取材・文=坂本ミオ、イラスト=はしもとあさこ) |
【はじめに】 多様な手指の疾患 早めの受診を |
一口に「手指が痛い」といっても、その中には、外傷(けが)、加齢による変性疾患、神経性のしびれからくるもの、関節リウマチのような炎症性疾患、皮膚に原因があるものなどさまざまです。 |
【症状】 痛みや腫れ、しびれ 変形が起きることも |
【図 女性に多い手指が痛む疾患】
図に示しているように、疾患の種類は違っても、痛みと共に手指の動きが自由にならなかったり、物をつかんだりひねったりする動作ができなくなるなどの症状が多く見られます。家事や育児などを担うことが多い女性にとっては苦痛なだけでなく、日常生活に支障を来してしまいます。 |
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【原因】 女性ホルモンの一種 エストロゲンの低下が関係か |
ばね指・腱鞘炎、ドケルバン病は更年期、妊娠時、産後の女性に多く見られます。ヘバーデン結節は40代以降の女性に多く見られ、ブシャール結節は閉経前後あるいは更年期以降の女性に多く見られます。 |
【治療】 装具を使って生活しながら安静を保つ方法も |
消炎・鎮痛剤を使いますが、痛みが出たら安静にすることが大事です。症状が出た後に手指を使い過ぎると、治りにくくなってしまいます。 |
【おわりに】 痛みを軽減させながら「付き合う」気持ちも |
手指の痛みは治療によって改善しても繰り返す場合や、完全に痛みが治まらない疾患もあります。痛みを極力軽減させながら、ある程度は「痛みと付き合っていく」気持ちも持っていた方がいい場合もあります。 |
話を聞いたのは
熊本機能病院 副院長 寺本 憲市郎 専門分野 手外科、機能再建外科 ・日本整形外科学会専門医 ・日本手外科学会専門医、指導医 ・日本マイクロサージャリー学会 |