【元気の処方箋】
特別なことじゃない ひきこもり 〜新しい生き方を探して〜
「ひきこもり」は今、さまざまな世代で数多く起きています。しかし、その理解が進まないことも含め、本人はもちろん家族や周囲の悩みは深いものがあります。今回は、ひきこもりの概念や対応、支援についてお伝えします。(取材・文=坂本ミオ イラスト=はしもとあさこ) |
【はじめに】さまざまな背景があるひきこもり |
「ひきこもり」とは、就学や就業などの社会参加をしていない、家族以外の人と交流がない状態、と定義されています(詳しくは、厚生労働省の「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」を参照ください)。 |
【なぜひきこもるの?】苦しんでいる本人 |
◆自分を追い詰める状況に |
【どう対応したらいい?】前の生活に戻そうとせずに まずはねぎらいを |
ひきこもるという手段を選ばざるを得なかったほどつらかったのです。そんなに自分で自分を追い詰めないでほしいと思います。本人には「大変でしたね」とねぎらい、元気が出るまで「まずはゆっくりしてください」「意欲が湧いてきたら、新しい生き方を探しましょう」と伝えたいと思います。 |
大事な家族の理解 多様な生き方に寛容な社会に |
このことを一緒に暮らす家族が理解しないと、本人と家族の間でトラブルが起き、家の中で気持ちを傷つけ合うことになりかねません。 |
【支援できる社会へ】社会参加へ一直線ではなく 新しい生き方を一緒に探そう |
コロナ禍によってオンラインでの交流が普及し、社会は大きく変わっています。個人の発信力がビジネスになったり、どこにも所属していないからこそできることがあったり。いろいろな選択肢で輝ける社会へと、徐々に変化しています。 |
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【おわりに】「いたわり」「希望」を大事に |
ひきこもりになったことで家族に責められ、家族が隠し続けている現実があれば、本人も社会を警戒し続けることになります。 |
【県内のひきこもり相談窓口】 |
◎熊本市外に在住の方は |
宮崎大学教育学部
教授境 泉洋(もとひろ) 博士(人間科学) 公認心理師 臨床心理士 ・KHJ全国ひきこもり家族会連合会 副理事長 ・日本臨床心理士会ひきこもり専門委員会 副委員長 ・宮崎県ひきこもり地域支援センター ひきこもり受理会議多職種専門チーム ・筆頭著書に「改訂第二版CRAFTひきこもりの家族支援ワークブック」(金剛出版)、編著書に「地域におけるひきこもり支援ガイドブック」(同)など |