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【四季の風】【第58回 雲(くも)の峰(みね)】
俳誌「阿蘇」主宰 岩岡中正 先生は博覧強記雲の峰 中正 雲の峰ブリテン島は遥かなり 〃 一句目は中学の担任の先生。「博覧強記」で、何でも知らないことはない。先生も生徒も雲の峰のように元気で、社会科の担任のこのクラスからは弁護士や新聞記者たちも出た。 二句目の「雲の峰」は、青春の思い出の雲の峰。若い頃英国に学んだが、雲の峰を見上げては、もっと長く厳しく励めばよかったと、今は悔やむばかり。さらに「雲の峰」は、次の句のように、神秘的で力強い。なお四句目の「みどり児」は、幼子(おさなご)のこと。 雲の峰幾つ崩れて月の山 芭蕉 しづかさや湖水の底の雲のみね 一茶 雲の峰夜は夜で湧いてをりにけり 篠原鳳作 みどり児の知恵はみるみる雲の峰 吉住淳子