【元気の処方箋】
全身の臓器・疾患にも影響する 歯周病
6月4日から10日まで「歯と口の健康週間」です。本年度の標語は「いただきます 人生100年 歯と共に」。そこで今回は、歯を失う原因となる歯周病について、原因や治療・予防法とともに全身の臓器への影響についてもお伝えします。 (編集=坂本ミオ イラスト=はしもとあさこ) |
【はじめに】 歯を失う最大の原因 自覚症状がないままに進行 |
2001年のギネスブックに「全世界で最もまん延している病気は歯周病である。地球上を見渡しても、この病気に侵されていない人間は数えるほどしかいない」と記載されました。 |
【原因と症状】◎プラーク中で増える歯周病菌 |
歯周病は、歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)から侵入した歯周病菌が炎症を引き起こして周りの組織を破壊し、歯を支える顎の骨(歯槽骨)までも溶かしてしまう病気です。 |
【原因と症状】◎喫煙は最大の危険因子 |
【表】歯周病セルフチェック表
歯周病の直接的な原因はプラークですが、プラークが放置されると徐々に硬くなって歯石に変化します。歯石は通常のブラッシングでは除去できないため、歯周病はさらに悪化しやすくなります。 |
【診断と治療】 基本治療から定期検診へ |
歯周病の診断や治療効果確認のため、歯周ポケットの深さ、ポケット測定時の歯肉出血、歯のぐらつき具合、歯槽骨の状態、プラーク付着に関する検査を行います。 |
【予防】 自分に合ったブラッシングを |
歯周病予防のためには、日々のブラッシングを怠らないことが最も重要です。毎食後すぐにブラッシングするのが理想的ですが、難しい場合は少し時間が空いても構いませんので、隅々までしっかりとプラークを除去するように意識してください。 |
【歯周病が全身に与える影響】◎糖尿病との関係 |
◎糖尿病との関係:糖尿病診療ガイドラインで歯周病の治療を推奨 |
【歯周病が全身に与える影響】◎ アルツハイマー病との関係 |
【図】歯周病のアルツハイマー病への影響(仮説)
◎ アルツハイマー病との関係:歯周病がアルツハイマー病悪化の一因に? |
執筆者
熊本大学病院 歯科口腔外科 教授 中山 秀樹 ・日本口腔外科学会 専門医・指導医 ・日本がん治療認定医機構 がん治療認定医(歯科口腔外科) ・日本口腔腫瘍学会 暫定口腔がん指導医 ・日本口腔科学会 認定医・指導医 ・臨床研修指導歯科医 |