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「あれんじ」 2022年2月5日号

【家族の心配・不安に応える 子育て応援クリニックQ&A】
肘内障(ちゅうないしょう)と股関節脱臼

Q.子どもの子どもの手足のけがや異常で気を付けることを教えてください。

予防できる肘内障や股関節脱臼
遊び方や抱き方、育児習慣に気を付けて

5歳以下の子どもに多い肘内障

 子どもが手を引っ張られたり転んだりして、急に腕を動かさなくなったときは、「肘内障」という病気が疑われます。

 「肘内障」は、肘の外側の骨(橈骨頭=とうこつとう)が肘の靱帯からずれることによって起きます。関節がずれるわけではないので脱臼ではありません(左図)。

 5歳以下の子どもに多く見られます。子どもの手を急に引っ張ったり、手をつないでぶら下がって遊んだりはなるべく避けましょう。


後天性が多い股関節脱臼

 赤ちゃんのオムツを替える時に股の開きが悪い、太もものしわや寝かせた時の足の位置に左右差がある、向き癖があるときは、「股関節脱臼」という病気が疑われます。

 「股関節脱臼」は「先天性股関節脱臼」という病名が以前は使われていましたが、必ずしも先天性ではなく、むしろ後天性に発生することが多く、抱き方や育児習慣で予防できる病気です。無理に股関節を伸ばさない、オムツや着衣で股関節の動きを妨げないようにすることが重要です。


M字型にして縦抱きを

 また、向き癖があると、向き癖の向きと反対の股関節の開きが悪いことがあります。左右両方を向かせるようにして、下肢の動きに左右差が出ないようにしましょう。

 抱き方は産後直後から足をM字型にして縦抱きで、脚を広げて抱っこするようにしましょう(写真)。

 子どもの体の動きなどで気になることがあれば、早めに整形外科を受診しましょう。


天野整形外科
院長
天野 敏夫