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「あれんじ」 2021年8月7日号

【家族の心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
アタマジラミ

Q. アタマジラミが幼稚園などではやることがあると聞き、心配です。

清潔にしていても感染

 人の頭髪に寄生して頭皮から血を吸う2ミリほどの「アタマジラミ」。寿命は1カ月くらいですが、髪の毛の根元付近に卵を産んで増えます。

 清潔な環境が整っている多くの先進国で流行しており、不衛生な生活が原因ではありません。清潔にしていても、幼稚園、保育園、小学校など子どもの髪と髪が触れ合う機会が多い場所、きょうだいや友達同士でくしを共用することなどで感染します。

 国立感染症研究所による実態調査では、アタマジラミ症発生世帯数は国内約83万世帯(年間)と推計されています。

 典型的な症状は、後頭部を中心とした激しいかゆみ。詳しく観察すると髪の毛の根元に卵や成虫が見つかります。子どもが後頭部をかゆがっている時に早めに卵を見つけることが重要です。


大人が正確な知識を

 卵を見つけても慌てず、適切に治療すれば心配いりません。ブラシを用いた洗髪と専用のすきぐしによる虫卵の除去、卵が付いている髪の毛の切除、散髪(極端に短くする必要はありません)、枕カバー・シーツ・タオルなどの毎日の取り替え、駆除剤の使用などで、2週間ほどで除去できます。

 近年、シラミ駆除剤の効果が乏しい殺虫剤抵抗性のシラミが増えていますが、抵抗性シラミ対策用のシャンプーと前述の対策を組み合わせることで駆除が可能です。熊本市健康福祉局のHPなどに詳しい記載があります。
 本人がショックを受けたりいじめにつながったりすることもあります。文科省からは「通常出席停止の必要はないと考えられる伝染病」と示されています。大人が正確な知識を持って対応してあげましょう。


適切な対処によって2週間ほどで駆除できます 早めに見つけることが大事
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学講座
准教授 
松本 志郎