【元気!の処方箋】
目にも“予防医学”を 守りたい子どもの目の健康
近視発症が低年齢化し、有病率が増加しています。スマートフォンなどの普及、多用の影響がいわれる中、コロナ禍によるステイホームで、その傾向がますます心配されます。そこで今回は、子どもの「目」の健康について話を聞きました。(取材・文=坂本ミオ) |
【はじめに】世界的に進む近視の若年化 |
【図1】「裸眼視力 1.0 未満の者」の割合の推移
近視の若年化は世界的な傾向です。近視には、遺伝的な要因と環境要因があります。アジア人の方が欧米人より有病率が高いのですが、最近はアメリカ、ヨーロッパなどでも増加しています。それは、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などのデジタルデバイスが発達、普及したことが関係していると考えられます。 |
<井上教授に聞きました>【Q】近視になる年齢が低いと、どのような影響があるのですか? |
【図2】目の仕組みと、正視・近視の違い
【A】遅らせたい発症年齢 |
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【Q】近視を治すことはできますか? |
【A】眼軸長が伸びた近視は治らない |
【Q】近視にならない、また進行を防ぐ ためにはどうすればいいですか? |
【A】長時間見続けない、屋外で過ごす時間を増やす… |
【Q】子どものコンタクトレンズ使用で気を付けるべきことは? |
【A】自分で管理し、ルールを守ろう |
【おわりに】社会的損失につながる近視 「予防」が大きな課題 |
ユーチューブやゲームなどは、夢中になって大人でもつい時間を忘れがちです。子どもが自分で律することはまず無理と考え、周囲の大人が管理し、少しでも近視の予防に努めてほしいと思います。 |
話を聞いたのは |
熊本大学大学院生命科学研究部
眼科学講座 井上 俊洋 教授 ・日本眼科学会眼科専門医 ・日本緑内障学会評議員 |