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「あれんじ」 2020年12月5日号

【慈愛の心 医心伝心】
第89回 かかりつけの小児科医に憧れて

女性医療従事者によるリレーエッセー 89回

第89回 かかりつけの小児科医に憧れて
熊本大学病院小児科 
医員
大塚ゆかり

 子どもの頃、通っていた小児科の先生はいつも優しくて、笑顔がすてきな女性の先生でした。その先生に会えるのがうれしくて、かかりつけの小児科を受診するのが楽しみだったことをよく覚えています。

 粉薬は飲めないから錠剤に替えてほしいなど、いろいろとわがままを言ってしまった記憶もあります。しかしどんなときも優しい先生。体調が悪くてきついとき、先生の笑顔を見て元気をもらっていました。いつしか、その先生のような小児科医になりたい、と漠然と憧れていました。

 研修医2年目のときのこと。地域研修で、あのかかりつけの小児科医院で数日間、研修をさせていただく機会がありました。小児科医への憧れの気持ちはあったものの、体調を崩してしまったことなどから、小児科医になるべきか悩んでいた時期でした。

 久しぶりに憧れの先生にお会いしたのですが、どんなに忙しくても患者さんと真摯に向き合い、患者さんやご家族を安心させるすてきな笑顔を見て、「やっぱり小児科医になろう」と決心がつきました。

 実際に小児科医として働いていると、忙しさから気持ちに余裕がなくなってしまうときもあります。まだまだ未熟で、先輩方はもちろん、患者さんやご家族からたくさんのことを教えていただきながら、勉強に励む毎日です。

 大変なときこそ、憧れの先生のような優しい気持ちと笑顔を大切にして、日々努力していきたいと思います。