熊本大学病院小児科
医師
堀 愛莉花(えりか)
私は医師であると同時に、1人の患者でもあります。
私は小さい頃から入院や手術を繰り返してきました。主治医の先生は、毎日ステキな笑顔で病室に来てくれました。転科や異動で担当でなくなった後も気にかけていただき、他の病院からメッセージカードを送ってくださったこともありました。
寂しい夜にはナースステーションで看護師さんにおしゃべりの相手をしてもらいながら、ちょっとした作業のお手伝いをさせてもらったこともありました。
治療方針を決める時、迷っていた母に「愛莉花ちゃんの将来を考えなさい」と促してくれた先生もいました。つらい治療を頑張ることができたのは、大好きな先生、看護師さんたちに支えてもらえたからです。
そんな私は今、縁あって小児科医になっています。
子どもを診るという仕事は「未来を創る」「命をつなぐ」仕事です。子どもたちを助け、その子たちが大人になり結婚して、子どもを産んで育ててくれたら、命は無限に広がっていく。もしかしたらその中には、一緒に命をつなぐ職業を目指してくれる子もいるかもしれない。
たくさんの人に創ってもらった未来で、子どもたちの未来を創っていくことが、私の恩返しだと思っています。
今も他の人と比べて体力は劣るし、知識も技術も未熟で、スタッフの方々に助けてもらいながら仕事をしている毎日ですが、これからも子どもたちのために、自分にできることを頑張っていきたいです。 |