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「あれんじ」 2020年9月5日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第88回】「未来を創る」仕事

女性医療従事者によるリレーエッセー【第88回】

【第88回】「未来を創る」仕事
熊本大学病院小児科
医師
堀 愛莉花(えりか)

 私は医師であると同時に、1人の患者でもあります。

 私は小さい頃から入院や手術を繰り返してきました。主治医の先生は、毎日ステキな笑顔で病室に来てくれました。転科や異動で担当でなくなった後も気にかけていただき、他の病院からメッセージカードを送ってくださったこともありました。

 寂しい夜にはナースステーションで看護師さんにおしゃべりの相手をしてもらいながら、ちょっとした作業のお手伝いをさせてもらったこともありました。

 治療方針を決める時、迷っていた母に「愛莉花ちゃんの将来を考えなさい」と促してくれた先生もいました。つらい治療を頑張ることができたのは、大好きな先生、看護師さんたちに支えてもらえたからです。

 そんな私は今、縁あって小児科医になっています。

 子どもを診るという仕事は「未来を創る」「命をつなぐ」仕事です。子どもたちを助け、その子たちが大人になり結婚して、子どもを産んで育ててくれたら、命は無限に広がっていく。もしかしたらその中には、一緒に命をつなぐ職業を目指してくれる子もいるかもしれない。

 たくさんの人に創ってもらった未来で、子どもたちの未来を創っていくことが、私の恩返しだと思っています。

 今も他の人と比べて体力は劣るし、知識も技術も未熟で、スタッフの方々に助けてもらいながら仕事をしている毎日ですが、これからも子どもたちのために、自分にできることを頑張っていきたいです。