【元気の処方箋】
適切な治療&生活習慣で症状の緩和を 乾癬(かんせん)
皮膚から少し盛り上がった赤い発疹などの症状が見られる乾癬。皮膚症状は、見た目によるストレスも抱えがちです。今回は乾癬について、症状や治療法に加え、日常生活で気を付けたいことなどをお伝えします。(編集=坂本ミオ) |
【はじめに】近年増加傾向にある皮膚の炎症性疾患 |
乾癬は、慢性の経過をたどる皮膚の炎症性疾患です。「感染」と読みが同じため、誤解されるかもしれませんが、決してうつる皮膚疾患ではありません。 |
【症 状】9割は皮膚症状のみ 関節に痛みや腫れが出ることも |
【図1】乾癬の皮膚症状
典型的な皮膚症状として、紅斑(皮膚の炎症による赤み)、肥厚(皮膚の盛り上がり)、鱗屑(りんせつ=銀白色のカサブタのようなもの)があります(図1)。 |
【図2】乾癬の爪症状
|
【原 因】免疫システムの過剰な反応が 皮膚や関節で炎症を |
【図3】乾癬の病態
発症の原因はまだ完全に解明されていませんが、最近の研究では、インターロイキン(IL)ー17、インターロイキン(IL)ー23、TNFーαなどのサイトカイン(細胞から細胞への情報伝達を起こす物質)による免疫システムの過剰な反応が、皮膚や関節で炎症を起こすと考えられています |
【治 療】塗り薬や飲み薬、注射など 単独や併用で適切な治療を |
根本的な治療法はまだありませんが、治療(表)により皮疹や関節症状を緩和させることができます。 |
【気を付けたいこと】良い状態を保てるよう 悪化要因を知り、避けましょう |
日常の生活習慣により、乾癬の皮膚症状が悪化することが報告されています。治療とともに、悪化因子をできるだけ避けることが大切です。 |
執筆いただいたのは |
熊本大学病院 皮膚科
助教 梶原 一亨(かじはら いっこう) ・日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 ・日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医 ・日本がん認定医機構がん治療認定医 |