すぱいすのページ

「あれんじ」 2020年5月2日号

【家族の心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
救急受診で気をつけること

夜間などに子どもに異常を感じたとき、どうすればいいですか。

受診を迷うときは電話相談を

 子どもの病気やけがは気がかりなものです。夜間の発熱、嘔吐(おうと)、発熱時のけいれんなどは、しばしば起こる症状かと思います。特に6カ月未満の子どもの高熱、水分を受け付けない、ぐったりしている、発熱時に初めてけいれんを起こした、あやしても笑わない、長く寝てばかりいる、激しく泣き叫んでいる、呼吸がおかしい、電池を飲み込んだ、などは、救急受診の目安とされています。

 このような救急の場合に対応するため、熊本では子どもの救急体制が整備されています。受診した方が良いかどうか分からないときは、一人で悩まずに電話相談をしましょう。熊本県子ども医療電話相談(TEL:#8000、 TEL:096-364-9999)が利用できます。


病状が分かるもの、母子手帳など持参を

 実際に病院に行く際には、保険証、母子手帳、病状が分かるもの(体温表や便のスマホ写真など)、お薬手帳を必ず持って行きましょう。ビニール袋、ティッシュ、着替えがあると安心です。
 問診では、「いつもと違う点」が特に重要になります。診察時には落ち着いて「違う点」が分かるように伝えましょう。

 救急外来で他の病気に感染したり、逆に他人に感染させたりしない注意も必要です。嘔吐やげり、激しいせき、水ぼうそうやおたふくかぜなどが疑われる症状がある場合は事前に伝えましょう。ただし、子どもにとって一番良いのは、スタッフ(医師、看護師、薬剤師、検査技師)や体制(診察、検査)が十分整っている昼間の診療時間内に受診することです。

 いずれにしても、子どもの異常にすぐ気付けるよう日頃から子どもの状態をよく把握しておくこと、いつでも相談できるかかりつけ医を持っておくことが大事です。


落ち着いて「いつもと違う点」を伝えましょう
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
松本志郎 准教授