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「あれんじ」 2020年4月4日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
食育

「食育」が大事と聞きますが、いつからどう取り組めばいいでしょうか?

赤ちゃんから始まる食育 子どもの頃に身に付けたい食習慣

離乳食でうま味の感覚を獲得

 食育とは、子育ての中で、子どもが生まれて最初に始める教育といえるでしょう。

 授乳は、親子の愛着形成だけでなく、感染症の予防や将来の病気に影響してくることも知られています。

 離乳食は、食に対する基本的な興味を作り、さらに「うま味」の味覚獲得に重要とされています。塩分が少なめで、だしなどのうま味中心の味付けの離乳食を子どもが好むのは、母乳に塩分が少なく、うま味成分が多いのが理由の一つです。

 うま味成分に対する感受性はこの時期に作られます。いろいろなものを口に運んでしまうので困ることもありますが、歯固めや味覚形成における学習行為の一つです。


脂質異常や脂肪肝になる子どもも
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学講座
准教授 松本 志郎

 国は2005年に食育基本法を施行し、不規則な食事、栄養の偏りなどが体・心の健康を失うとして、家庭や保育園、幼稚園、学校、また地域全体での食育推進を掲げました。

 あまりかまずに飲み込む、夜型生活による夜食、お菓子の増加など食生活や生活習慣の乱れから多くの病気が発生することが知られています。

 熊本市が毎年行っている生活習慣病検診では、数百人のお子さんが要精密検査に該当します。さらに毎年60〜70人ほどに高コレステロール血症があり、脂肪肝も20〜30人ほどに見つかっています。脂肪肝は肝がんの予備軍ですので、すぐに治療が必要です。

 このような子どもたちも食育指導によって、脂肪肝は1年程度ですっかりなくなり、コレステロール値も改善します。バランスの取れた食事内容とともに食生活リズムを子どもの頃に身に付けるようにしましょう。