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「あれんじ」 2020年3月7日号

【【家族の心配・不安に応える 子育て応援クリニック】】
学校心臓検診

小学校入学後、心臓の検診があるのですか。

学校心臓検診は小1、中1、高1と、熊本では小4でも行います

学校生活を安心して送るために

 学校では全ての生徒を対象に、毎年健康診断が行われます。このうち小学校に入学して全員に行われる心臓の検診を、学校心臓検診と言います。

 学校心臓検診は小学1年だけでなく、中学1年、高校1年でも行うことが法律で決まっています。熊本県内は独自に小学4年でも行っており、よりきめ細やかなスケジュールになっています。

 心臓病の早期発見と適切な管理により学校生活を安心して送ることを目的に、アンケート調査、内科診察、心電図検査などを行います。

 生まれつきの病気である先天性心疾患は、多くが既に診断されており、学校心臓検診で見つかることはまれです。しかし比較的見つかりにくい心房中隔欠損症は、学校心臓検診をきっかけに診断されることがあります。


アンケート調査も重要

 その他に見つかる病気として、不整脈、心筋症などがあります。
 不整脈は心電図異常で見つかることが多いのですが、本人の自覚症状がない場合、多くが経過観察となります。しかし中には、突然死の原因となる病気もあり、精密な検査を行う必要があります。

 心筋症は心臓の筋肉の病気です。自覚症状がないか軽い場合もありますが、厳重な治療・管理が必要です。

 不整脈や心筋症は同じ病気の家族がいる場合があります。そのためアンケート調査では家族についての質問があり、重要なポイントです。

 何らかの異常がある場合は、医療機関でさらに精密検査を受ける必要があります。安心して学校生活を送るために、きちんと検査を受けましょう。


熊本市立熊本市民病院
小児循環器内科
医師西原卓宏