【元気の処方箋】
適切な診断、治療・対処が重要 突発性難聴と加齢性難聴
若い芸能人などが発症して話題になることもある突発性難聴。また、加齢とともに気になる聞こえにくさ。今回は、さまざまな難聴の中から、突発性難聴と加齢性難聴についてお伝えします。 (編集/坂本ミオ) |
【はじめに】65歳以上だと約半数難聴は高頻度の病気 |
徐々にテレビの音を大きくしていたり、相手の言っていることが分かりにくくなったりしていませんか?また、突然聞こえが悪くなったことはありませんか? |
【難聴の分類】さまざまな原因がある内耳性難聴 |
難聴には大きく分けて「伝音難聴」と「感音難聴」があります。 |
【突発性難聴】急に起こる 原因が分からない感音難聴 |
突発性難聴は、急に起こる感音難聴で通常片方の耳に起きます。 |
改善の可能性が高まる 早期の治療 |
【図2】突発性難聴
突発性難聴は早期に治療することで改善する可能性のある病気です。急性期(発症からおよそ1週間以内といわれています)にステロイドホルモンやビタミンB 製剤および循環改善薬、高気圧酸素療法などを用いた治療によって回復することがあります。 |
【加齢性難聴】音は聞こえても、分かりづらいという特徴が |
個人差はありますが、誰しも年齢を重ねるとともに聴力は落ちていきます。 |
聴力の改善が認知症の予防に |
【図3】加齢性難聴
最近、難聴があると認知症になりやすいということが分かってきました。 |
【難聴の治療】まずは耳鼻科医による診断を |
慢性期の内耳性感音難聴の根本的な治療方法は残念ながら現在のところありません。しかし、聞き取りを上げる方法として、補聴器や人工内耳手術があります。 |
自分に合った補聴器選びが大事 |
補聴器も、耳かけ型、耳あな型、ポケット型などがあります。デジタル補聴器では、周囲の雑音を低減してくれる機能や、人工知能を搭載したものまであります。補聴器は毎日使うものですから、個人個人に合った、少しでも不快感の少ないものを選びましょう。 |
【終わりに】期待される将来の治療法 |
ヒトの内耳感覚細胞は一度消失すると二度と再生しないことが分かっています。慢性の感音難聴ではこの感覚細胞が減少した状態です。 |
執筆いただいたのは |
熊本大学病院 |