すぱいすのページ

「あれんじ」 2020年2月1日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
アレルギー性鼻炎

子どもの鼻水が続いています。熱はないのでアレルギーかと思いますが、受診した方がいいですか?

子どもに多い通年性アレルギー性鼻炎

 アレルギー性鼻炎は日本人の約4割に認められ、増加傾向にあります。主なものはダニを原因(抗原)とした通年性アレルギー性鼻炎と、スギ花粉を原因とする季節性アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)の2つです。子どもは通年性アレルギー性鼻炎が多く、成人ではスギ花粉症が増えることが知られています。

 最近、アレルギー性鼻炎が将来のぜんそくにつながる危険因子であると報告され、早期診断と治療が重要と考えられています。症状は、「くしゃみ、鼻水、鼻詰まり」。スギ花粉症の場合は、目や皮膚のかゆみなどを伴うことも多く、遠足後などに激しい症状で救急外来を受診されることもしばしばあります。


診断難しい乳幼児 専門医に相談を

 外来では、鼻腔(びくう)内の診察、症状の詳しい状況、鼻汁の検査、原因となる抗原への免疫反応(抗体)の確認などで診断を行います。就学児は大人と同じように診断ができますが、乳幼児は診断が難しい場合も多く、専門医の診察が必要になります。

 治療は、抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬などの薬物療法、最近ではスギやダニの抗原を微量ずつ摂取することでアレルギー反応を弱めるような特殊な治療があります。

 重症例では頭痛、睡眠障害、学習障害などにつながることもありますので、「アレルギーくらいで」と看過せずに、症状が続く場合にはアレルギー専門医に相談しましょう。

 日常生活では、部屋の掃除をこまめにして抗原(スギ花粉、ダニ抗原)を除去すること、抗原の多い場所を避け、マスクをするなどで抗原への暴露を減らすことが大事です。


将来ぜんそくにつながる危険性も 早期診断と治療が重要
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
松本志郎准教授