【元気の処方箋】
自分らしく“生きる”ために―「終末期医療」を考える
「終活」という言葉が一般的になり、亡くなる前に準備をする人が増えています。その中で、医療や介護について自らの考えを整理したり、周りに要望を伝えたりはしているでしょうか。今回は、「終末期医療」について考えておきたいことをお伝えします。 |
【はじめに】「どう生きるのか」を考える終末期医療 |
皆さんは終末期医療にどんな印象をお持ちでしょうか。もしかすると誤解があるかもしれません。 |
【「人生会議」とは】自らが望む医療・ケアについて考え、話し合い、共有を |
厚生労働省が作成したポスターが物議を醸したことで名前を知られるようになった「人生会議」。これは、もしものときのために、自らが望む医療やケアについて前もって考え、家族など信頼できる周囲の人たちや医療従事者らと話し合い、共有する取り組みである「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」の愛称です。 |
正しい情報と時間が必要 家族や医療者と話し合いを |
【図1】リビング・ウイルの書式例
参考:公益財団法人 全日本病院協会「終末期医療に関するガイドライン」終末期医療書式 【図2】話し合いの進め方(例) ※参考:厚生労働省 ACP普及・啓発リーフレット 誤解してほしくないのは、「人生会議」は、本人の生き方や価値観を共有することが目的であり、治療やケアの選択をその人任せにすることではありません。 |
[終末期医療における意思表示(リビング・ウイル)] |
私は、下記の医療行為について、以下のように希望します。なお、この希望はいつでも撤回し、または変更することができます。撤回、変更は、同様の書面、あるいは時間的な猶予がない場合には口頭で行います。 |
【メッセージ】医療者が適切に介入 安心を |
「終末期の全てを自分で決めないといけない」なんて考えると、重すぎますよね。そうではありません。本人が考え、表明するのは、あくまで医療に対する自分の考え、価値についてです。それを受けて、医療者が適切な方法を取るのです。安心してください。 |
【「緩和ケア」とは】診断されたときから始まる 緩和ケア=末期ではない |
医療従事者は命を助けることと共に、命の質を上げることに力を尽くしています。 |
【終わりに】人生の主役はあなた自身 |
国が「人生会議」を勧めるのはなぜかと言えば、自分の人生の主役はあなた自身であることをもう一度考えてほしいからではないでしょうか。終末期に自分の命を他人任せにしないように、と。 |
話を聞いたのは |
熊本大学病院 |