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「あれんじ」 2019年11月2日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
インフルエンザ

寒くなるとインフルエンザの流行が心配です。

予防が重要な乳幼児や妊婦など

 インフルエンザ感染症は、A型あるいはB型インフルエンザウイルスに感染することで起こります。感染力が強いため、短期間に大流行を起こします。

 感染後1〜2日の潜伏期の後に38度以上の発熱で突然発症し、頭痛、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛などの強い全身症状を示すことが特徴です。その後、せき、たんなどの呼吸器症状が現れて、通常1週間ほどで治ります。

 ただし、乳幼児、妊婦、高齢者、あるいは何らかの病気を持っている人(心臓、呼吸器、腎臓、免疫系が弱いなど)が感染すると、肺炎などの合併症が増え、死亡率が数倍から数百倍に上昇するとされています。このような危険性が高い人たちには、“予防が重要”とされています。


子どもだけでなく家族も接種を

 予防の中心は、予防接種です。子どもに対するインフエルエンザワクチンの有効性に関しては報告によって多少幅がありますが、おおむね20〜50%の発病防止効果があり、特に重症化を予防(入院数や死亡率を軽減)すると報告されています。

 インフルエンザにかかると明らかに悪化が予想される方は、積極的に予防接種を受ける必要があります。また、子どもだけでなく、家族や周囲の大人も接種を受けましょう。

 さらに手洗いやせきエチケットを徹底すること、流行時期は人が多く集まる場所に行かないようにすることなどで、ウイルスにさらされる機会を減らす工夫も大切です。

 大人が正しい知識を持ち、子どもたちを社会全体で守りたいものです。


重症化を防ぐ予防接種 ウイルスにさらされる機会を減らす工夫も大事
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
松本志郎 准教授