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「あれんじ」 2019年8月3日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第79回】「がん患者さんの心に寄り添う医師を目指して」

女性医療従事者によるリレーエッセー【第79回】

【第79回】「がん患者さんの心に寄り添う医師を目指して」
医療法人 創起会
くまもと森都総合病院
腫瘍精神科
木下 裕子

 今、日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなるといわれています。時代とともにがん医療も進歩し、以前のように「がん=死」というイメージではなくなってきました。それでも、がんと診断されたことで眠れなくなったり、気持ちが落ち込んだり、食事が取れなくなったりすることがあります。がん患者さんは不安や恐怖、気持ちの落ち込みなど、心の苦痛を抱えながらがんの治療と向き合わなければなりません。

 心の苦痛はそれだけでもつらいことですが、日常生活の質を下げ、時にはがん治療への意欲も低下させてしまうため、できるだけ早期に適切な心のケアを受けることが勧められています。

 私はそのようながん患者さんやご家族の心のケアを専門にしています。患者さんやご家族のお話を聞いて、不安や恐怖を一緒に受け止め、時には周りを気にすることなく涙を流したり弱音を吐ける場を提供します。必要に応じて薬物治療も行いながら、患者さんやご家族の心のつらさが和らぐようにします。

 がん治療を行う主治医や看護師さんとも協力しながら、患者さんやご家族に心のケアを提供し、少しでもより良い心の状態で患者さんが自分らしくがんと向き合えるようにサポートします。

 日々の診療の中で私も患者さんから勇気をいただき、さまざまな人生観や価値観を学ばせていただいています。がん患者さんの心に寄り添う医師を目指して、これからも頑張っていきたいと思っています。