【元気の処方箋】
夏休み子どもの肥満に気をつけて
夏休みまっただ中。エアコンの効いた部屋でゲームをしたり、ダラダラおやつを食べたり…。学校生活に比べて運動量が減るなか、間食が増え、いわゆる「夏太り」する子どもたちもいるようです。そこで今回は、「子どもの肥満」についてお伝えします。 |
【Q1】子どもの肥満は増えているのですか? |
【図1】日本国内における肥満児の割合の変化と背景
◎上図は2000年までだが、この後、急激な携帯電話・スマートフォンなどの普及によって、さらに日常の活動性・運動量の低下が進んでいると考えられる ※日本小児内分泌学会HPより一部改変して引用 ◎全国的に総数は減少 熊本は熊本地震後、増加に |
【Q2】子どもの肥満の問題点は何でしょうか? |
◎「今」と「将来」に問題が重要な早期発見と改善 |
◎日本人の3大死因の大きな要因に |
【図2】子どもの肥満は大人の肥満につながる大きな要因
※日本小児内分泌学会HPより一部改変して引用 そして注意したいのは、子どもの肥満が大人の肥満につながるということです(図2)。思春期肥満の70〜80%は成人肥満につながります。熊本市では全ての小学校で学童後期へと向かう10歳児を対象に小児生活習慣病検診を行っていますが、ここで発見し、適切な介入によって肥満をくい止めることが大変重要なのです。 |
【Q3】子どもの肥満を防ぐにはどうすればいい? |
【図3】肥満は生活習慣病の最大の原因
※日本小児内分泌学会HPより一部改変して引用 ◎「今治せば問題ない」子どもが理解すれば効果が |
【メモ】肥満型に多い腸内細菌がある!? |
【図4】がんの主要な原因
※日本癌学会HPより一部改変して引用 最近耳にする機会が多い腸内細菌(腸内フローラ)。肥満の人には、食物を分解して人が太りやすい栄養素を増加させ、腸から吸収しやすくする菌が多いことが分かっています。つまり、腸内細菌環境は肥満の大きな一因。そしてこれは、一緒に住んでいる家族と同じ菌になりやすいことが分かっています。 |
【終わりに】「健康で社会にデビュー」を |
保護者の役割は、子どもを社会に出し、自立させることでしょう。社会に出た時、既に病気であっては、その後の長い人生を充実させることが大変になります。ぜひ「健康で社会にデビュー」させてほしいと思います。 |
話を聞いたのは |
熊本大学大学院生命科学研究部 |