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【四季の風】第46回 夏薊(なつあざみ)
とやさしく詠(よ)んだり、夏だと、 ほこりだつ野路の雨あし夏薊 飯田蛇笏 と、いかにも夏らしく荒々しく詠んだりもする。 これよりはスコットランド夏薊 中正 これはもう四十数年も昔、イングランド北部の湖水地方からスコットランドへ抜けたときの句。両者は元々異国で、その折も国境を越えるときの感動があった。スコットランドと聞くだけで山国を思うし、国花もそれにふさわしく、薊。ついでにいえば、イングランドはバラ、ウェールズは水仙、北アイルランドはクローバー。 こうして、夏といえば夏薊、夏薊といえばすぐスコットランドを思い出してしまう。