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「あれんじ」 2019年5月11日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
不登校

 新学期が始まったばかりなのに、「学校に行けない」と子どもが言います。

子ども自身が混乱することも

 春は、期待を胸に進学・進級を迎え、さまざまな変化にどのように対応するか気を張って過ごす時季でもあります。脳と身体の疲れを蓄積したまま走り続けると、GW休みに「本当は疲れている」と脳が気付き、休み明けの登校リズムに同調できず、朝起き困難、頭痛、腹痛などの身体症状が出現し、登校困難状態になる場合もあります。

 その状態が長期化すると、子どもは自分に何が起きているのか理解できず、戸惑い、混乱することもあり、親は、登校させるべきか休ませるべきか迷いのスパイラルに陥ることもあるかもしれません。


生活リズムの見直し・調節を

 どのように判断するかは難しいことですが、まずは学校と連携を取りながら、睡眠から覚醒・食事のリズムを見直し、就寝・起床・登校の時間を調節しながら脳と身体の疲労を回復していくことが大切だと思います。

 頭痛や腹痛など身体症状が強い場合は、かかりつけの小児科を受診し、子ども自身が自分に起きていることを理解する時間を持つことも大事です。情緒的な症状が強い場合は、かかりつけ医から児童精神科など専門的な医療機関を紹介してもらうことも必要だと思います。

 親としては難しいことですが、焦らずに「一緒に考えていこう」という姿勢が大切でしょう。

 期待や希望、不安や戸惑いなど、さまざまな気持ちをもたらす春。親も慌ただしい季節ではありますが、子どもたちの気持ちの変化に寄り添いたいものです。


焦らずに「一緒に考えていこう」という姿勢で
じょうどいクリニック
小児科医
上土井貴子