【元気!の処方箋】
白内障 適切な診断・治療で改善を!
加齢に伴い増える疾患の一つである「白内障」。手術で改善することが知られていますが、その方法やリスクなど、治療法選択に役立つ情報をお届けします。 |
【はじめに】白内障は身近な病気です! |
白内障の患者さんは全国で4000万人超と推計されており、身近な病気といえるでしょう。 |
【白内障ってどんな病気?】●目の中でレンズの働きをする水晶体 |
【図1】目がモノを見る仕組み
まず、目がモノを見る仕組みから説明します(図1)。 |
●水晶体の中が濁るのが白内障 |
【図2】目の構造
水晶体は直径9mm、厚さ4mmの凸レンズの形をしていて、膜(嚢)に包まれています。 水晶体は虫眼鏡のレンズを分厚くしたような見た目です。断面図を見ると、水晶体は皮質と核と、薄い被膜である嚢(のう)で構成されていることが分かります(図2)。 |
【症状】●少しずつ進行 進みすぎないうちに手術を |
多くの場合、白内障は少しずつ、年単位で進みます。初期では濁りの程度は少なく、症状がないことも多いのですが、水晶体の濁りで光が乱反射することで、まぶしさを感じやすくなったり、一つのモノが複数に見えたりすることがあります。 |
【治療】●視力の改善には「レンズの入れ替え」手術 |
【図3】超音波水晶体乳化吸引術
白内障に対する目薬は、進行を遅くする効果は期待されますが、視力を改善させる効果はありません。 |
●手術には危険性も |
【図4】後発白内障のレーザー治療
後発白内障は、レーザーを使って簡単に濁りを取ることができます。視力はすぐに回復し、入院の必要もありません。 手術手技と機械が発達したため、白内障手術の安全性はかなり高いといえます。それでも合併症はゼロにはならず、術後視力に影響するような重症のものもあります。 |
【終わりに】よく相談の上、治療方針を決めましょう |
白内障は身近にある疾患ですが、適切に診断、治療を受ければ怖い病気ではありません。 |
執筆いただいたのは |
熊本大学大学院 |