【見る・知る・感じる 熊本まつり探訪】
【野原八幡宮(のはらはちまんぐう)秋季大祭】
古(いにしえ)の世界へいざなう 笛の音と童男(おぐな)の舞 |
760年の歴史持つ「のばらさん」 |
五穀豊穣と無病息災を願い、毎年10月15日に開催される野原八幡宮(荒尾市野原)の秋季大祭。約760年の歴史を誇り、「のばらさん」の名で親しまれています。当日は一カ月早い七五三を祝う着物姿の親子連れが祭りに華を添えます。 |
宮方の「風流(ふうりゅう)」、武家方の「節頭(せっとう)」 |
祭りで目を引く「風流」は、宮方の祭事。県の無形民俗文化財に指定されています。赤い狩衣(かりぎぬ)をまとい、獅子頭(ししがしら)をかぶった二人の童男(男児)が、太鼓をたたきながら笛の音に合わせ優雅な舞で観客を魅了します。「風流」はもともと、社殿にとりつく妖魔を制するために始まったと言われ、県内でも数少ない中世芸能として知られています。 |
【教えてください】 「中世芸能の特徴」 |
「風流」はもともと、『今様できらびやかな』という意味を含み、中世では「風流(ふうりゅう)」、近世では「風流(ふりゅう)」と呼ばれていました。ふうりゅうという呼び名が残る野原八幡宮の大祭は、中世の流れをくむ祭りということができるでしょう。 |