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「あれんじ」 2018年11月3日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
赤ちゃんの便の色

赤ちゃんのうんちの色が薄かったり、変な色だったり…。気になっています。

生後変化する便の色

 赤ちゃんの消化の働きは未熟な部分があり、便の状態も変わりやすい特徴があります。ですので、便の色はとても重要なサインと考えられています。

 生まれて最初の2日間は胎便と呼ばれる緑黒色の粘っこい便をします。これはお腹の中で飲み込んだ羊水や消化液が固まったものです。さらに生後4日目にかけて、この胎便に哺乳した母乳やミルク由来の便が混ざり、少しずつ黄色の色味が混ざる移行便になります。

 その後、胎便が全て排泄され、黄色から茶色い色味になり、黄色い顆粒が含まれる顆粒便が見られるようになります。ここまでが一般的な赤ちゃんの便の変化になります。

 このような色や性状の変化は言葉では分かりにくいため、便色カードが作成されています。各自治体から配布される母子(親子)健康手帳に掲載されています。


肝臓病や胆道の異常が原因の場合も

 便の色は黄色が多いですが、便の回数、量、酸性度に影響を受けて緑になる場合もあり、どちらも正常です。このような色の変化は乳児期にはしばしば起こりますので、機嫌が良く、哺乳力も良い場合には様子を見ていいでしょう。

 注意が必要なのは、白い便あるいは徐々に便の色が薄くなり白くなっていく場合です。白っぽい便は、「胆道閉鎖症」と呼ばれる肝臓から腸への消化液(胆汁)の流れが滞る病気や乳児肝炎など肝臓病が原因のことがあるため、治療を受ける必要があります。

 気になる場合は便色カードを確認して、白い色(1番から3番)の場合や、カードに記載がない色(赤や黒など)の場合は、保健師やかかりつけの小児科に相談しましょう。


注意が必要なのは白い便 「便色カード」で確認を

熊本大学大学院生命科学研究部 
小児科学分野・松本志郎 准教授