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「あれんじ」 2018年8月4日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
水いぼ

 水いぼが気になります。放っておいてもいいものですか?

水疱(すいほう)のような部分にウイルス

 水いぼは、「伝染性軟属腫ウイルス」というウイルスによって人から人へうつる、7歳以下の子どもに多い感染症です。子どもの皮膚は薄く、バリア機能が弱いことが感染する要因です。

 見た目は、中心部に水疱のように見える小さな結節(しこり)があるのが特徴です。この水疱のような部分にウイルスが含まれており、子どもがかく、あるいは自然につぶれて破れ出た内容物に触れると感染します。

 水いぼは重い病気ではなく、自然経過でよくなる良性の感染症であるという理解が大切です。また、衣類、ビート板などを介した感染が大部分であるため、塩素系漂白剤や50度以上の熱湯消毒も有効であるとされています。日常生活、水泳について特段の隔離などは必要ありません。


アトピー性皮膚炎などある場合は早めに受診を

 ただし、放っておいていいわけではありません。直接の接触があると自分自身の他の部位にも他人にもうつる可能性がありますので、水いぼの部分に保護テープをするなど直接触れないようにする配慮も必要です。詳しくは、小児皮膚科学会や小児科学会のHPを参考にされてください。

 治療については経過を見る場合もありますが、背景にドライスキンやアトピー性皮膚炎がある場合もあり、ひどくなる前に皮膚科での治療が必要なケースもあります。早めに皮膚科を受診し、症状に合った適切な指導を受けましょう。


自然経過でよくなる良性の感染症 うつらないよう直接の接触を防ぐ配慮を
熊本大学大学院生命科学研究部小児科学分野
松本志郎 准教授