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「あれんじ」 2018年6月2日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
歯ぎしり

子どもの歯ぎしりが気になります。放っておいてもいいでしょうか?

いろいろな時期に起こる子どもの歯ぎしり

 通常の歯ぎしりは、実は多くのお子さんが経験するもので、生理的なものといわれています。

 起こる時期もいろいろで、例えば、歯固めをし始める頃の赤ちゃんにも起こります。赤ちゃんにとって、突然、硬いものが口の中に出てくるのは、不思議なことです。口を動かして歯を確認し、歯が生えてくるときのかゆみを紛らわせていると考えられています。

 また、乳臼歯(にゅうきゅうし)と呼ばれる奥歯が生えて乳歯が生えそろう2歳前後では顎も大きくなり、かみ合わせのバランスを取るための無意識の行動であるといわれています。

 さらに、乳歯から永久歯に生え変わる4歳から6歳にかけても歯ぎしりは多く見られます。かみ合わせのバランスを調整しながら永久歯が生えてくる空間を確保していると考えられています。


歯科のかかりつけ医を作り定期的な歯科検診を

 以上のような、子どもの発育に伴う生理的な変化としての歯ぎしりは様子を見ていいのですが、別の原因で起こっている場合もあります。

 例えば、歯並び・かみ合わせの問題(不正咬合=ふせいこうごう)、虫歯、歯周病、また、ストレスなどで起こることもあります。このような場合は、治療が必要になります。

 歯は、困ったときだけでなく、日頃からのケアが必要な組織です。小児科のかかりつけ医と同様に、歯科もかかりつけ医を作り、定期的に歯科検診を受けましょう。


多くは発育に伴う生理的変化 歯並びや虫歯など治療が必要な場合も
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
松本志郎 准教授