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「あれんじ」 2018年5月5日号

【慈愛の心 医心伝心】
【第69回】がん診療における悪いお知らせの伝え方

女性医療従事者によるリレーエッセー【第69回】

【第69回】がん診療における悪いお知らせの伝え方
医療法人グリーンヒルウィメンズクリニック グリーンヒル 
医師 西村純子

 夫が開業する産婦人科医院の手助けにならないかと、総合内科専門医取得後に乳がん診療医を目指して早12年になろうかとしています。

 がん診療においては、それぞれの分野の知識・技術の習得も必要ですが、患者さんとのコミュニケーション(コミュニケーションの語源は、ラテン語で共有するという意味)も非常に重要であると日々感じています。

 がん診療では悪いお知らせを伝える場面があります。悪いお知らせは今後の見通しを否定的に変える場合もあり、誠意を持って慎重に行うべき大切な医療行為です。そこで、医療者から患者さんへの一方通行にならない双方向での円滑な情報交換に努めて行います。

 否認や怒りのような防衛機能の根底にある患者さんの心理状態を理解し、患者さんやご家族が悪いお知らせを受け止める準備ができるまで待つことも必要です。また、患者さんをサポートする上で必要な情報を共有するため、さまざまな医療者によるチーム医療体制も重要です。

 このようなコミュニケーションスキル(スキル=技術)は、人間性や性格で規定されるものではなく、学習により変容可能なものであるといわれています。

 医療者として必要な惻隠(そくいん)の情を携え、患者さんとご家族が不安なくがん診療を受けていただけるように、悪いお知らせの伝え方の上達も含めたコミュニケーションスキルを学び続けたいと思います。