【元気!の処方箋】
快適な生活と健康のために治療を 睡眠時無呼吸症候群
テレビ番組などでも取り上げられることが多い「睡眠時無呼吸症候群」。いったいなぜ起こるのか、どうすれば改善するのかなど、専門医に聞きました。(取材・文=坂本ミオ) |
【はじめに】「息をしない」のではなく「できない」状態に |
「無呼吸」とは、呼吸(鼻や口での息の流れ)が10秒以上止まってしまうことをいいます。これが睡眠中に起こるのが、「睡眠時無呼吸」です。 |
【症状と診断】 |
■突然止まり突然始まる特徴的ないびき |
■睡眠の質の低下が及ぼす日常生活への影響 |
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の症状
そうなると当然、睡眠の質が悪く、目覚めた時の頭痛や頭重感、熟睡感の欠如、日中の眠気、集中力の低下など、起きて活動している時間にも大きな影響が出てきます。 |
■さまざまな診療科にわたる合併症に注意 |
図1
さらに注意が必要なのは、合併症です(図1)。睡眠時無呼吸症候群は心筋梗塞や不整脈、脳卒中など死に至る疾患の原因として注目されており、突然死につながる場合もあります。また、うつ病や認知症などとも関係しています。 |
【原因と治療】喉の奥を狭くしてしまう肥満やあごの小ささなど |
図2
睡眠時無呼吸症候群は、喉の奥が狭くなる状態によって起きます(図2)。 |
まずは体重減量 中等症以上であればCPAP(シーパップ)を |
一般的な治療法としては、 |
CPAP導入は検査が受けられる病院で 継続管理はかかりつけ医に |
CPAPは、治療が必要な診断基準にあることが検査で判明すると、病院から機器一式を貸し出してもらえます(保険適用)。検査は、自宅でもできる簡易検査と、1泊入院が必要な本格的な検査「睡眠ポリグラフ」があります。 |
【終わりに】たかが「いびき」と侮らないで |
自分が眠っている間のことを自分で知るのは難しいこともあり、実際に治療が必要な人の1〜2割しか治療をしていないといわれている睡眠時無呼吸症候群。 |
話を聞いたのは |
熊本大学医学部附属病院呼吸器内科
藤井 一彦 准教授 専門は、ぜんそく、せき、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、睡眠時無呼吸症候群など。 ・日本内科学会総合内科専門医 ・日本呼吸器学会専門医・指導医 ・日本アレルギー学会専門医 ・ICD認定医 ・身体障害者福祉法指定医 |