【元気!の処方箋】
気のせい? 病気? 目の周りや顔のけいれん
自分の意思とは関係なく、目の周りがぴくぴくする経験をしたことはありませんか? 「気付けば治っていた」という人もいれば、「続くので不安」という人もいるようです。 そこで今回は、目の周りや顔のけいれんについてお伝えします。(取材・文=坂本ミオ) |
【はじめに】「疲労のサイン」の場合は しっかり休息を |
自分の意思とは関係なく、目の周りがぴくぴくする―。突然そんな症状が現れれば、誰でも驚きます。中には、重大な病気ではないかと心配する人もいらっしゃいます。しかしその多くは、数日から数週間のうちに治まるものです。 |
【治療の対象となる顔のけいれん】名前は似ているが異なる「眼瞼(がんけん)けいれん」と「顔面けいれん」 |
ぴくぴくするけいれんが続き治まらない、けいれんが目の周りだけにとどまらず口の周りなどにも起きる…といった場合は、眼科や神経内科、あるいは脳神経外科を受診しましょう。「眼瞼けいれん」か「顔面けいれん」かもしれません。 |
◎眼瞼けいれん |
【症状】 |
◎顔面けいれん |
【症状】 |
確立されている治療法 心配しすぎず相談を |
ボツリヌス毒素の注射による効果は、人によって差があります。非常によくなる人がいる一方で、あまり改善が見られない場合もあります。効果がどう出るかを事前に予測することができないことは、あらかじめ知っておいていただきたいと思います。 |
【メモ】顔以外にも起きるジストニアによる症状 |
筋緊張を調節する脳の運動プログラムの機能障害によって、制御できない運動状態(不随意運動)となるジストニア。これが原因となって現れるのは「眼瞼けいれん」だけではありません。 |
【終わりに】気持ちを楽に暮らすのも予防や改善に |
自分の意思とは無関係な不随意運動を起こさせる、不要な運動プログラムがなぜ働くのか。明確なことはまだ分かっていません。ただ、まじめで几帳面、神経が細やかな人に多く見られることから、脳に細かな情報が繰り返し与えられることで過剰な反応を引き起こし、誤作動につながるのではないかといった仮説も立てられています。 |
話を聞いたのは |
熊本大学大学院
生命科学研究部神経内科学 アジア神経難病研究・診療寄附講座 中根俊成(なかねしゅんや) 特任教授 専門は、免疫性神経疾患、不随意運動、自律神経疾患。 ・日本内科学会認定医 ・日本神経学会専門医 ・日本神経学会指導医 |