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「あれんじ」 2017年12月2日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
おねしょ

Q もうすぐ小学生になる息子は、まだ時々おねしょをします。どうしたら直るでしょうか?

小学校入学前は治療の対象外

 子どもは3歳ごろには日中の排尿を教えてくれるようになります。そして5歳ごろにはおねしょもなくなるといわれています。しかし個人差が大きく、睡眠の深さ、膀胱(ぼうこう)の容量、眠っている間に尿を濃くする働きを持つホルモンの分泌などが影響しています。

 小学校入学前頃におねしょがみられる子どもは約20%、毎晩おねしょをする子どもは約2〜3%いるそうです。そのため、小学校入学以前のおねしょは、体の成熟の過程で自然に起きるものと考え、治療の対象にしていません。小学校に入学後も続いている場合には、夜尿症と呼んで治療を考えます。

 昼間にも尿が漏れてしまう場合には、急いで治療しないといけない病気が隠れていることがあります。膀胱や尿道などの働きや形の異常、ホルモンの異常や糖尿病など、いくつかの病気を考えて検査します。


水分の取り方に工夫を

 病気ではないことが確認できたら体が成熟するまで、「起こさない」「あせらない」「しからない」で、ゆっくりと待つことが大切です。あせって睡眠の途中で起こすと尿を濃くする働きが妨げられ、尿量が増えてしまいます。

 水分の取り方も工夫してみてください。午前中に多めに水分を取り、午後からは少なめに、夕方からはできるだけ水分を控えると、それだけで治ることもあります。ただ、病気が隠れているときには水分の制限をしてはいけません。かかりつけ医に相談しながら行ってください。

 また、1年以上なかったおねしょが再び始まった場合は、治療が必要な病気が原因である可能性があります。かかりつけ医に相談しましょう。


体が成熟するまでは「起こさない」「あせらない」「しからない」
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
教授 中村公俊