【元気の処方箋】
頑固な便秘には理由がある!? 改善しよう!慢性便秘症
慢性的な便秘に悩む人たちは、便秘そのものが病気として扱われないこともあり、市販薬に頼ったり、改善を諦めたり、というケースが多いと聞きます。そんな中、今年10月に日本で初めて「慢性便秘症診療ガイドライン※」が発行されました。 今回は、便秘の原因や改善・治療法などについてお伝えします。(取材・文=坂本ミオ) ※慢性便秘症診療ガイドライン2017は、日本消化器病学会関連研究会慢性便秘の診断・治療研究会の編集発行 |
【はじめに】理想の排便とは? 排便回数だけでなく、便自体にも注意 |
一般的な「理想の排便」とはどんなものでしょう。 |
【便秘ってなに?】一定ではない便秘の定義 不快や苦痛を感じるか? |
一口に便秘といっても、排便回数や排便量は個人差が大きく、客観的に定義するのは難しいことです。日本内科学会、日本消化器病学会、国際消化器病学会など、学会によっても定義は一定ではありません。 |
【便秘はなぜ起きる?】機能性便秘には3タイプ それぞれに異なる原因 |
【図】機能性便秘のタイプ
便秘は大きく分けると、機能性便秘と器質性便秘があります。 |
◎大腸通過遅延型 |
大腸内での便の停滞時間が長いために便が硬くなり、排便が困難になります。 |
◎大腸通過正常型 |
便を送る大腸の働きは保たれているのに便秘を来すのが、このタイプです。 |
◎便排出障害 |
私たちが便を排出できるのは、横隔膜と腹筋を収縮させて腹圧を高める「いきみ」と、骨盤底筋群の弛緩(しかん=ゆるみ)の協調運動を無意識に行っているからです。 |
【便秘を改善するには】食物繊維、発酵食品、水分を取ろう 便意を我慢しないことも大事 |
便のもとは食事です。まずは食事、そして生活全般を見直しましょう。 |
【便秘の治療】習慣性や依存性がない 新たな薬も登場 |
大腸通過遅延型の場合、原因となる病気の治療や薬剤への対処が必要です。 |
【終わりに】症状によっては早めの大腸内視鏡検査を |
今回は触れなかった器質性便秘は病院で診てもらわないと本質的な治療はできません。 |
話を聞いたのは |
熊本大学大学院
生命科学研究部消化器内科学 直江秀昭 助教 ・日本内科学会認定医 ・日本消化器病学会指導医 ・日本消化器内視鏡学会指導医 ・日本がん治療認定医機構認定医 |