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「あれんじ」 2017年9月2日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
子どもの肥満

Q 子どもが肥満気味です。子どもでも生活習慣病の心配がありますか?

肥満症として治療が必要なことも

 肥満そのものは病気ではありませんが、肥満が進むと子どもでも脂肪肝や糖尿病発症のリスクとなり、病気である肥満症として治療が必要になることがあります。将来の心血管病のリスクが増加するメタボリックシンドロームと診断されることもあります。

 しかし、生活習慣が形成される子どもの時期に肥満を解消できれば、これらのリスクや病気を成人まで持ち越さずに済むといわれています。


肥満度によって診察や検査を

 子どもの肥満は、(測定体重−標準体重)÷標準体重×100(%)で、肥満度を計算して判断します。

 標準体重と肥満度についてはインターネットで検索すると計算してくれるサイトが見つかります。かかりつけ医で相談することも一つの方法です。母子手帳には肥満度のグラフがついていて、身長と体重から肥満度が分かります。

 肥満度が20%以上であれば一度は診察を、30%以上では肥満症の検査を受けることが必要です。

 また、腹囲は小児メタボリックシンドロームを診断するときの基準の一つになっています。へその高さで腹囲を測り、80 cmを超えている場合や、身長の1/2以上の場合には、肥満が進んでいる心配があります。


食事や運動の習慣で予防や改善

 子どもは身長が伸びているため、減量する必要は少なく、極端な食事制限もよくありません。野菜を食事の最初に食べる、よくかんで食べる、などが大切です。

 部活動や習い事などで運動の習慣ができると、それだけで体重が増えなくなることも多いです。子どもの時期に肥満が進みにくい食事や運動の習慣を身に付けることが、最も大切だと考えています。


病気やリスクを成人に持ち越さないよう子どもの時期に肥満の解消を
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
教授 中村公俊