すぱいすのページ

「あれんじ」 2017年8月5日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
落ち着きのない子ども

Q 他の子に比べて落ち着きがないように感じ、不安です。どこに相談すればいいですか。

それぞれにある生まれつきの性格

 子どもに落ち着きがないと感じたときに、それが個性なのか、治療や訓練が必要なものなのか、不安になるかもしれません。そのようなときによく尋ねられるのが発達障害についての心配です。

 「発達障害」には広汎性発達障害、注意欠陥多動障害、学習障害などの分類があります。その症状にもさまざまなものがあり、区別が難しいことも少なくありません。

 ここで気を付けていただきたいのは、落ち着きがないことがすなわち発達障害ではないということです。生まれつきの特性、性格のようなものは誰でも持っています。それが環境、つまり社会の仕組みや周囲の人たちと合わないときに、発達障害と呼ばれています。

 家では落ち着きがないと感じている子が保育園ではみんなと一緒に楽しく過ごしている、ということはよく見られます。幼稚園や保育園の先生に尋ねてみるのも一つの方法です。


心配なときは、かかりつけ医に相談を

 1歳半児健診や3歳児(3歳半児)健診では、この発達障害についてチェックすることが診察のポイントのひとつになっています。健診の時に担当医や保健師に質問してみるのもよいでしょう。

 心配な時には、かかりつけ医に相談してみてください。熊本県・市の委託による発達障害支援センターも設置されています。それらのセンターに相談してみてもよいでしょう。相談するときに言葉で説明することが難しいと思われる場合には、子どもの様子を動画に撮っておくと役に立つかもしれません。

 発達障害の子どもは周囲の理解によって暮らしやすさが大きく変わります。子どもの特徴を理解して、周囲に相談しながら対応を考えてみましょう。


子どもの特徴を理解して周囲に相談しながら対応を
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
准教授 中村公俊