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「あれんじ」 2017年7月1日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
水痘(水ぼうそう)

Q周りで水ぼうそうがはやっています。何に気を付ければいいですか?

発熱とともに全身に発疹

 水ぼうそうは水痘・帯状疱疹ウイルスと呼ばれるウイルスによる感染症で、医学用語では水痘と呼ばれています。

 37〜38℃程度の発熱とともに、全身に発疹が出現します。発疹は体幹(胸、腹、背中)に多く、顔や手足には比較的少なく、頭皮にもできることなどが特徴です。

 最初は丘疹(きゅうしん)と呼ばれる小さな赤い盛り上がりだったものが、翌日には水疱と呼ばれる水ぶくれになり、数日でやぶれて、かさぶたになります。この丘疹、水疱、かさぶたが同時にみられることが水痘の特徴で、診断の参考になります。

 水痘・帯状疱疹ウイルスは潜伏期が2週間程度で、発疹が現れる1〜2日前から、発疹がかさぶたになるまで感染力を持っています。

 症状がまだ出ていなかった患児と一緒に遊んだ子どもが感染した場合、それから約2週間後に症状が出始めることになります。伝染力は強く、感染したら症状が出ることがほとんどです。


重症の場合は抗ウイルス薬を

 治療には、やぶれた水疱につける塗り薬が使われます。約1週間後に自然治癒するといわれていますが、重症と判断される場合は抗ウイルス薬を使うことで症状が軽くなります。かかりつけ医に早めに相談するとよいでしょう。

 出席停止期間は「すべての発疹がかさぶた化するまで」とされています。すべての丘疹、水疱がかさぶたになってから登園、登校するようにしてください。

 3年ほど前から水痘ワクチンの予防接種が定期接種となり、1歳から3歳の誕生日の前までの2年間は無料で予防接種が受けられるようになりました。期間内に早目に接種しておくとよいでしょう。


1歳から3歳の誕生日前までは無料で予防接種が受けられます
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
准教授 中村公俊