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「あれんじ」 2017年6月3日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
ヘルパンギーナ

Q 「ヘルパンギーナ」という病名を聞きました。どんな病気でしょうか?

突然の高熱で始まり、1〜4日で解熱

 ヘルパンギーナはエンテロウイルスと呼ばれるウイルスによる感染症で、突然の高熱で始まり、口の中に水疱ができることが特徴です。

 6月ごろから流行が始まり7月にかけてピークとなり、8月には次第に減ってきます。発熱は40度を越えることも多く、年少児ほど高い傾向にあります。熱が高いから重症というわけではなく、通常は1〜4日で解熱します。

 喉の口蓋垂と呼ばれる部分の周囲に発赤、水泡や潰瘍がみられます。そのために痛みや飲み込みにくさが現れると、水分や食事があまり取れなくなることがあります。


小まめな水分補給で脱水を予防

 夏に突然の高熱が出た時は、かかりつけ医でヘルパンギーナかどうか確認してもらうとよいでしょう。

 特別な治療は必要なく、小まめに口から水分を与えると脱水の予防になります。

 喉の痛みは数日から1週間程度続くことがあるので、経口補水液やおかゆなどを与えてもよいでしょう。ジュースや味の濃い食べ物は喉にしみて嫌がるかもしれません。


違う型に感染すると再度の発症も

 治った後でも便には1〜2カ月間はウイルスが排泄されているため、忘れた頃に感染が広がることがあります。ウイルスは口から体に入るので、うがいや手洗いは予防になります。

 感染した半分ぐらいの子どもは全く症状を出さないとの報告もあります。一度かかると免疫ができますが、ヘルパンギーナを起こすウイルスにはいくつかの型があるため、違う型のウイルスに感染したときには、もう一度発症することがあるかもしれません。


高熱と口の中の水疱が特徴の感染症。6月ごろから流行が始まります。
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
准教授 中村公俊