【元気!の処方箋】
治療の幅が広がってきた肺がん
肺がんは年々増加しています。2016年のがん統計予測(国立がん研究センター)では前年度に引き続き、がんの中で死亡数予測が最も多い、気になる病気です。 そこで今回は、肺がんの診断や治療についてお伝えします。 |
はじめに |
日本では、高齢化とともに肺がんの患者数が増加しています。 |
【症状】進行するまで症状がないことも多いので注意を! |
長引くせきや、血液まじりの痰、息切れには注意が必要です。 しかし、進行するまで症状がないことも多く、「せきも痰もないから大丈夫」と自己判断することはできません。 |
【診断】肺の中の細胞や組織を採取 調べて、判定 |
肺がんの診断は、肺の中にある細胞や組織を、何らかの方法で一部採取することから始まります。 |
【遺伝子検査】遺伝子異常に対して新しいタイプの薬剤が効果を発揮 |
採取した肺がんの組織を使って、遺伝子検査を行います。これはここ十数年で肺がんの検査としてすっかり定着しました。 |
【肺がんの治療】免疫療法が加わり、柱が4つに |
肺がん治療は、手術、放射線治療、薬物療法(抗がん剤、分子標的治療薬)の3つが柱でした。ここに平成26年末から免疫治療(免疫チェックポイント阻害薬)というもう一つの柱が加わり、治療の幅が広がってきています。 |
◎手術 |
肺がんを完全に治せる可能性が最も高い治療法です。 |
◎放射線治療 |
放射線をがん病巣に当てて、がん細胞を死滅させようとするものです。 |
◎薬物療法 |
●薬物療法(1)抗がん剤(化学療法) |
◎免疫療法 |
がんには免疫系による攻撃を回避する仕組みがあるのですが、それをブロックすることで治療効果を上げるのが、免疫チェックポイント阻害薬という新しい免疫治療です。 新聞、テレビでもよく取り上げられており、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。 |
終わりに |
熊本大学医学部附属病院呼吸器内科 佐伯 祥 助教
・日本内科学会総合内科専門医 ・日本呼吸器学会呼吸器専門医 ・日本がん治療認定医機構がん 治療認定医 肺がんで大事なのはやはり予防(禁煙)と早期発見(検診など)です。 |