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「あれんじ」 2017年2月4日号

【【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】】
おたふくかぜ

保育園でおたふくかぜがはやっていると言われました。どんな病気ですか?

園や学校での流行に注意を

 おたふくかぜはムンプスウイルスによる全身の感染症で、流行性耳下腺炎と言います。唾液腺の炎症によって、「おたふく」のお面のようにあごの周囲が腫れることが、名前の由来だと考えられます。

 3〜6歳の子どもに多く、おたふくかぜに感染している人の唾液や気道分泌物への接触によって感染します。 年少児は感染しているのに症状がほとんどみられない不顕性感染となることが多いのですが、4歳になると、90%に耳下腺の腫れなどの症状がみられます。耳下腺の腫れは2日ほど続きます。

 おたふくかぜの確定診断にはウイルス検査が必要ですが、保険がきかないため通常は行われません。周囲で流行していればおたふくかぜであることがほとんどだということが、分かっています。

 そのため、園や学校での流行をよく知っておくことが大切です。


予防に有効なワクチン接種

 治療は、抗ウイルス薬がないため対症療法が中心です。鎮痛薬を使って、痛みを和らげます。

 予防にはワクチン接種が有効です。2回接種した方が効果は高く、接種した人の80〜95%が予防できているとの報告があります。生ワクチンの任意接種なので、予防接種のスケジュールをかかりつけ医に相談してみてください。


注意したいおたふくかぜの合併症

 おたふくかぜの合併症として、髄膜炎、難聴、思春期以降の男性の精巣炎などが知られています。頭痛や嘔吐、聞こえの悪さ、思春期以降の精巣の激しい痛みなどがみられた時には、追加の治療が必要かもしれません。再度かかりつけ医を受診してください。


流行性耳下腺炎という3〜6歳の子どもに多い感染症です
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
准教授 中村公俊