【元気!の処方箋】
むくみは普通に起きること? それとも病気のサイン?
足を中心に“むくむ”症状に悩む人がいます。「夕方になると靴が入らない」など不都合を感じつつも、痛みなどを伴わないため、そのままにしていることも多いようです。一方で、「何かの病気がひそんでいるのでは?」という不安もあるでしょう。 そこで今回は、むくみのメカニズムと考えられる疾患、予防や改善に向けての方法、気を付けたいことなどをお伝えします。(取材・文=坂本ミオ) |
【Q1】むくみって何? 細胞の中でも、血管の中でもないところに水が余計にたまって起きます |
図1
人間の体重の60%は水です。いわば人間は、「水の塊」です。その水のうち3分の2は細胞の中にあります。 |
【Q2】「むくみ」を起こす疾患は? 心臓、腎臓、肝臓、甲状腺の疾患などがあります。原因がはっきりしない突発性浮腫も |
病的なむくみは、血液の循環が悪い、尿量に異常がある、血漿中のタンパク質量が少なすぎる、リンパの流れが悪い場合などに起きます。 |
【Q3】「むくみ」の治療は? 原因疾患の治療が第一。食生活や運動などで、予防と改善を |
図2
まずは、むくみの症状を起こしている原因疾患を特定して、その治療をすることが第一です。かかりつけ医に、むくみの状態や、それに付随する症状があればそれを伝えましょう。 |
【Q4】「むくみ」改善の難しさとは? 原因を特定できないことが多く、他の病気の治療薬の影響で起きることも |
むくみは、客観的に評価するのが難しいことが多い症状です。原因疾患が特定できない突発性浮腫では、何らかの治療が必要なのかどうか分からないこともままあります。 |
【おわりに】 |
むくむことによる見た目を気にする気持ちは理解できますが、改善のためにと薬に頼り過ぎることがないようしたいものです。 |
話を聞いたのは |
熊本大学医学部地域医療・総合診療実践学寄附講座
松井 邦彦 特任教授 熊本県地域医療支援機構理事地域医療支援センター長 ・日本内科学会総合内科専門医 ・日本循環器学会専門医 |