【元気!の処方箋】
加齢や外傷、高血圧や糖尿病などの全身疾患も原因に 網膜剥離(もうまくはくり)
「網膜剝離」という病名は、プロボクサーが罹患(りかん)したといったニュースで耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、外傷だけでなく、加齢や全身疾患などにより誰にも起きる危険性があります。 快適に「見える」生活を続けるために、原因や症状、治療法についてお伝えします。 |
【はじめに】 |
網膜剥離の大半は眼内の加齢変化や外傷などで生じる病気です。放置すれば重篤な視力障害をきたす病気ですが、早期に治療することで視力障害を防ぐことができます。 |
網膜の役割〜カメラで言えばフィルム〜 |
図1
眼はよくカメラに例えられます。カメラにはレンズ、絞り、フィルムなどがありますが、眼にもそれぞれに対応した組織があります。 |
網膜剥離とはどんな病気か?【原因】 |
図2
網膜が、後ろの壁にあたる網膜色素上皮から剥がれてしま |
図3
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網膜剥離とはどんな病気か?【症状】 |
・飛蚊症(ひぶんしょう) |
網膜剥離とはどんな病気か?【治療】 |
図4
網膜がほとんど剥がれていない場合は、レーザーによる熱で網膜裂孔の回りを凝固します。網膜と後ろの壁(網膜色素上皮)が凝固により癒着を起こし、網膜剥離への進行を予防します。外来で行える治療です。 すでに網膜剥離が進行している場合には手術が必要となります。手術には、強膜バックル術や硝子体手術などがあり、網膜剥離の症状に応じて術式が異なります。 |
早期発見や予防のための注意点 |
【早期発見のために】 |
【終わりに】 |
網膜剥離は痛みを伴わないため気付きにくいのですが、前兆として飛蚊症や光視症が現れることがあります。また治療が早ければ早いほど視力への影響が少ないので、早期発見と速やかな治療が大切です。 |
執筆いただいたのは |
熊本大学大学院 |