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「あれんじ」 2016年8月6日号

【ママの心配・不安に応える 子育て応援クリニック】
中耳炎

 赤ちゃんの機嫌が悪いときは中耳炎かもしれないと聞きました。中耳炎について教えてください。

鼻から入った細菌が起こす炎症

 子どもが「耳が痛い」と言ったときには中耳炎を疑います。鼓膜の内側の中耳と鼻の奥は耳管という管でつながっています。そこを通って鼻から中耳に入った細菌が炎症を起こした状態です。

 耳から細菌が入ったと誤解されることがありますが、耳の穴(外耳道)と中耳の間には鼓膜があるため、耳から入った細菌が中耳炎を起こすわけではありません。風邪などをきっかけに鼻の炎症が中耳に広がっていることがほとんどです。

 炎症が軽い場合は鼓膜の充血だけがみられ、他に症状はありません。炎症がひどくなると中耳に膿がたまって鼓膜が赤く腫れることもあります。膿が鼓膜を圧迫すると強い痛みを伴い、鼓膜に穴があいて膿が出てきます。膿が出てしまうと痛みは消えて、穴も自然に閉じてしまいます。


治療が長くかかることも

 小さな子どもは風邪をひくことが多いうえに耳管が短く、中耳炎を起こしやすいです。成人では耳が痛いとか音が聞こえにくいといった訴えから中耳炎を疑いますが、子どもでは「機嫌が悪い」「耳をよく触る」などの仕草が手掛かりになります。

 病院では耳鏡という道具で耳の奥を観察して、腫れや膿などの状態を判断します。診断されるまで気づかないことも少なくありません。

 痛みがあるときには、保冷剤などを耳の後ろに当てると痛みが軽くなるかもしれません。強い痛みがあるときは解熱鎮痛剤を使い、熱が高い場合には抗生物質を服用することがあります。

 中耳炎の程度によっては治療が長くかかることがあります。また、鼓膜の状態で水泳を制限される場合もあります。かかりつけ医や耳鼻咽喉科医と相談しながら治療を続けてください。


「機嫌が悪い」「耳をよく触る」などの仕草を手掛かりに受診を
熊本大学大学院
生命科学研究部
小児科学分野
准教授 中村公俊