熊本大学医学部付属病院
小児科
医師 黒澤茶茶(ささ)
夫の仕事の都合で1年半、アメリカで生活をしました。
アメリカではおおむね7歳(身長145p)くらいまで、チャイルドシートの使用が義務付けられています。また、車の中に短時間でも子どもを置き去りにしたり、子どもだけで留守番をさせることも禁止されています。そして、チャイルドシートを使用しなかったり、子どもを独りにすることは、「適切な療育を行っていない=ネグレクト(育児放棄、育児怠慢)」と捉えられ、逮捕されるというのです!
アメリカで長女を出産した際、退院時に赤ちゃんがチャイルドシートにおさまるところまで病院のスタッフが確認し、見送ってくれたのを覚えています。生まれて初めて車に乗る時からチャイルドシートが子どもの指定席なのです。
日本でも6歳未満の子どもにチャイルドシートの着用が義務付けられて15年以上が経ちます。実際にどの程度きちんと着用されているでしょうか? 親の都合で使ったり使わなかったりすると、子どもはチャイルドシートを嫌がるようになります。そうならないためにも、最初が肝心! チャイルドシートの使用を習慣付けることが大切です。
使用しないことが虐待だなんて大げさと思われるかもしれません。でも実際に救急医療の現場では、交通事故に遭った子どもの中に「チャイルドシートを適切に使用していれば、こんなことにはならなかっただろうに…」というケースが少なからずあります。
子どもを守るのは親の役目です。車のアクセルを踏む前に、子どもにチャイルドシートの着用を! |