【元気!の処方箋】
暑さのせいだけじゃない!熱中症の「なぜ?」「どうする?」に答える
梅雨どきから注意が必要な熱中症。今年は避難生活や震災後の工事、休校時の代替授業での夏休みの短縮など環境が変わる中、大人も子どももいつも以上に気を付けたいものです。 そこで今回は、昨年7月4日号に掲載した「熱中症」について、再度紹介します。(取材・文/坂本ミオ) |
【❶原因】体温調節がうまくできなくなる3つの要因 |
【図1】熱中症を引き起こす要因
私たちの体は、外気温の上昇や運動などによって体温が上昇すると、皮膚温度が上昇し、体温の熱を外気に逃がします。また、汗をかき、それが蒸発することで熱を逃がし、体温の調節を図っています。 |
【❷対処】症状を見て、適切な判断を |
【図2】熱中症の重症度と症状、治療法
(日本救急医学会「熱中症に関する委員会」による重症度と症状、治療法 改編) 熱中症にはさまざまな症状が見られます。というのは、熱中症は暑さの中で起こる障害の総称だからです。 |
【❸予防】乳幼児や高齢者、持病のある人、運動部員など特に注意 |
体を冷やすポイント
できるだけ迅速に体温を下げることが大事です。 ◎屋外であれば、木陰などに寝かせ、水をかけたり、ぬれタオルであおいだりしましょう。 熱中症が疑われる人がいた場合は図2を参考に対処しますが、最も大事なのは、一人一人が熱中症にならないよう心がけることです。 |
◎氷やアイスパックがあれば、頸部、脇の下、足の付け根など、大きい血管が通っている場所を冷やしましょう。
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【終わりに】 |
熱中症の予防を目的に1954年にアメリカで提案された指標があります。「暑さ指数(WBGT=湿球黒球温度)」と呼ばれるものです。日本でも熱中症の危険度を判断する数値として環境省が情報を提供しています(環境省熱中症予防情報サイト)。 |
話を聞いたのは |
熊本大学医学部附属病院
救急・総合診療部 笠岡 俊志 教授 ・日本救急医学会(指導医、専門医、評議員) ・日本臨床救急医学会(評議員) ・日本集中治療医学会(集中治療専門医) ・日本内科学会(総合内科専門医) ・日本循環器学会(循環器専門医) ・熊本県災害医療コーディネーター |