【元気の処方箋】
きちんと知って、対処したい 自律神経失調症
なんとなく不調な場合に簡単に使いがちな「自律神経失調症」。しかし、具体的にどういう状態を指すのか、原因などを含めて曖昧な印象です。 そこで今回は、「自律神経失調症」とは何なのか、症状やそれを引き起こす要因、診断、治療についてお伝えします。 |
【はじめに】独立した病名ではなく、さまざまな症状が起きた状態 |
自律神経は心血管、呼吸器、消化器、内分泌腺などの内臓器をはじめ体全体に分布し、呼吸、循環、物質代謝など生命維持にとって重要な働きを調整しています。 |
自律神経には交感神経と副交感神経があり、お互いが正反対の働きをし、バランスよく機能しています。交感神経は運動、興奮、緊張、ストレスで高まり、副交感神経はリラックスした時や睡眠中によく働きます。
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(1)症状 身体症状と精神症状 出現の仕方もさまざま |
小児から高齢者まであらゆる年齢に起こりますが、症状はさまざまで、出現の仕方も人によって異なります。多くは、身体症状と精神症状が見られます。 |
(2)原因 ストレス、環境、性格などさまざまな要因が関与 |
自律神経失調症は自律神経のバランスの乱れや過剰な緊張などさまざまな要因が複雑に絡んで起こります。 |
(3)診断 検査や心理テストなどで似た症状の病気の除外も |
自覚症状があり、検査を行っても、原因となる異常を認めず、これに自律神経のバランスの乱れや過度の緊張があれば自律神経失調症といえます。 |
(4)治療 生活指導と薬物療法が主環境を見直すことも大切 |
まず、気になる症状について検査を行い、重大な疾患ではないことを確認してもらい、不安を取り除くことが重要です。 |
執筆いただいたのは |
九州看護福祉大学 熊本 俊秀 特任教授
医学博士 大分大学名誉教授 日本神経学会専門医・指導医 日本内科学会認定医 |